山本佳奈氏の著書、『残された小さな森-タンザニア 季節湿地をめぐる住民の対立』が平成25年3月に昭和堂より出版されます。
この本では、人口増加のすすむタンザニア農村を対象にして、土地をめぐる住民の対立と和解のプロセスを明らかにしています。
人口増加はタンザニアの土地利用の形態を大きく変えました。この本の舞台となる村では、祖霊信仰に関わる森や、家畜の共同放牧地として利用されてきた季節湿地さえも食料生産のために耕作地に変えようとする動きがおきていました。
しかし、季節湿地や森のすべてが耕地に変えられてしまったわけではありません。人々は、これらの共有資源の利用をめぐって争いつつも、新たな状況に合わせた環境利用を模索していきました。こうした共有地をめぐるタンザニア農村社会の実態を、この本では描いています。