アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻 アフリカ地域研究資料センター
Select Your Language
活動記録
HOME >  活動記録一覧 > 2021年 > プロジェクトの紹介ー砂漠化の防止と民族紛争の抑止

プロジェクトの紹介ー砂漠化の防止と民族紛争の抑止

わたしたちが2011年10月にサイトを建設したときには、広大な荒廃地が広がっていました。固い岩盤に支柱を立て、フェンスを張り、つるはしでうがちながら、雨水をためる穴を掘りました。都市の家庭ゴミを集めて、荒廃地に運び、フェンス内に10cmの厚さでゴミを入れました。ビニール袋が飛ばないよう、ていねいに砂土をかけていきました。実は、この砂土が緑化には重要です。


2011年10月28日


2012年9月7日

雨季が到来すると、強風が吹き付け、砂や葉が飛ばされてきます。侵食によって引き起こされた荒廃地に、砂や葉がゴミに引っかかり、堆積の場へと変化していきます。堆積の場となると同時に、ゴミに含まれた植物の種子が雨季の到来とともに芽吹いてきます。1年目には作物、2年目以降には草本が生育し、家畜の飼料や人間の食用に利用できます。雨季の終盤には牧畜民が家畜を入れ、家畜は植物を飼料として食べます。わたしが現地の牧畜民にお願いすることは、ただひとつーー「家畜の飼料がなくなっても、2週間にわたり、夜にはフェンスのなかに家畜を入れて、家畜の糞尿が落ちるようにしてください」ということです。


2017年8月27日


2017年9月24日

牧畜民がこの約束を守ってくれると、フェンスのなかに樹木が生長しはじめます。家畜の胃を通過すると、この地域の樹木の種子の発芽率は上がります。家畜は反芻をし、胃の内容物を戻しますが、そのとき、大きな種子を吐き出すこともあります。そうした樹木の種子が発芽してくるのです。2020年4月以降、ニジェールに現地調査へ行くことができていませんが、現地のスタッフがスマートフォンで写真を撮影し、1週間ごとに送ってきます。今年6月から雨が降り出し、今年も緑化サイトは緑で覆われました。9月中旬には雨季が終わり、フルベの家畜がフェンスのなかへ入ってきます。
実は、これから11月中旬までには、周囲の畑にトウジンビエが実りをつけ、農耕民が収穫に忙しい時期に入ります。この時期に、もっとも紛争が起きます。家畜が作物を食べ荒らすと、この食害が大規模な紛争を引き起こすのです。家畜が夜にフェンスに入ると、家畜は畑へ行くことはありません。家畜による作物の食害がなくなると、住民たちは大規模な民族間紛争を回避することができるのです。


2019年9月28日


2021年9月6日

activity record

ニジェールに関連する社会貢献の活動を中心に記載しています。